昔、現在の東京競馬場の敷地内には、神社にお供えするお米を作る御供田がありました。そこでは旧暦の5月6日に御田植祭という神事が行われていました。御供田に苗を植えた人は、その年は健康でいられ、自分の家の農作物も豊作になると伝えられていたため、人々は競って持ってきた苗を植えました。そして、田植えが終わると、大勢の男の子が裸になり田んぼの中で相撲をとるのが習わしでした。不思議なことに、次の朝、相撲で踏み荒らされた苗はまっすぐに起きあがっていたそうです。そればかりでなく、農民が持ち寄ったさまざまな種類の苗が、秋になるとみんないっせいに同じ種類の穂を出したということです。